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2016年11月 6日 (日)

超短編小説「小説家」

 夫とは二人暮らしで最近引っ越しをした。

 中学生の頃から通っていたラーメン屋のすぐ傍である。
 元々商家だった古民家を改装したのだろう、
 玄関がやたらと広く、廊下の奥には階段、その手前にドアがある。
 ドアを開ければそこはマンションの内装と変わらない近代的なもので、
 家の外装と内装では大きな差がある。
 引っ越したその日には、友人とその友人が遊びに来た。
 友人の友人は若い頃バンドを組んでいてギタリストだったそうだ。
 友人は相も変わらず冗談ばっかり言って私たちを笑わせていた。
 そこに自然食品を取り扱ってる店を経営している新しい大家さんが訪ねて来て
 またも我が家は笑いに包まれる。
 夫に目配せされて廊下に出ると夫は封筒を差し出す。
 「これ、引っ越しで金かかったから、俺のへそくり」と言う。
 「ありがとう、でも大丈夫よ」と私は答えた。

 そこで目が覚めた。
 夢なので普段の私の生活とはまったく違う。
 結婚生活を送っていた期間よりも一人になってからの方が長くなった。
 私たちが一緒に暮らしていた頃は家に誰かを招いたこともない。
 二人とも友達と呼べる人がほとんどいなかったのだ。
 夢に出て来た友人はもう亡くなっているし、
 元夫は一切生活費を入れてくれない人だったので
 封筒に入った現金を渡されたことなど一度もない。

 けれど、夢から覚めて思ったことは、「ネタにしよう」だった。
 普段の私はストーリー性のある夢はほとんど見ない。
 昼間、物語ばかり考えているせいだろうか?
 小説家なんて厄介な生き物だ。
 男とか女とか、いや人でさえないかもしれない。
 ただ「小説家」というヘンな生き物であるような気がする。

 昔はこれではいけない・・と思った時期もあったけれど
 今更、性格を変えるのも大変だろうし、以前、変えると苦しいことを学習したので
 このままでいっか・・と思っている。
 

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